もののあはれ

Mono no Aware (Pathos of Things) (もののあわれ)

万物の移ろいに対する哀感・しみじみとした情趣

もののあはれは、万物の移ろいに対する深いほろ苦い感受性を表す日本の美意識・哲学的概念である。純粋に神道固有の概念ではないが、自然を生きたもの・聖なるもの・絶えず変化するものと捉える神道の世界観に深く根ざしている。

この語は江戸時代の国学者・本居宣長が『源氏物語』の分析において定式化した。日本文学と日本人の感性の本質は、無常の美しさと哀しさに心を動かされる力にあると宣長は論じた。桜がもののあはれの象徴とされるのは、見事に咲き、数日で散るからこそ愛でられるためである。

もののあはれと神道は、現在の瞬間と自然界への注目を共有する点で結びつく。神道は永遠の楽園を約束しない——焦点はいま・ここにあり、自然の律動と調和して生きることにある。美は儚く万物は変化するという認識は、この枠組みにおいて絶望の原因ではなく、より深く注意を払い、十全に現在に在り、日常と刹那の中の聖を味わう理由となる。

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