神籬

Himorogi (Sacred Space / Sacred Tree) (ひもろぎ)

神が降臨する聖なる空間や樹木。常設の社殿に先行する祭祀形態

神籬(ひもろぎ)は、神が降臨するために設けられた聖なる空間、あるいは神の降臨する媒体としての聖なる樹木を指す。常設の社殿が存在する以前、神道の祭祀は神が降りるとされる自然の場——神籬や磐座(いわくら)——を中心に行われていた。

最も基本的な形態は、注連縄で空間を画し、中央に榊などの常緑樹を立てて神を招く。神事の間、神は樹に降臨するとされる。この古代的な祭祀形態は、現代の地鎮祭にそのまま生き残っている——建設予定地に注連縄と青竹で臨時の聖域を設けるのは、まさにこの方法である。

神籬の概念は、神道の祭祀が本来、建物を一切必要としなかったことを思い出させる。最古の神社は単に自然の造形——樹・森・岩・山——であり、神と出会える場所として認識されたものであった。常設の社殿(本殿)は「常設の神籬」として後に発展した。神籬を理解することで、今日の精巧な神社建築が、元来は自然の中での神との直接的で媒介のない出会いから洗練されてきたものであることが見えてくる。

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